ウイスキーはお好きですか?
ロック、水割り、ハイボールと、いろいろな楽しみ方がありますね。
この記事を書きながら、ジャック・ダニエルのコーラ割りを飲んでいました。茹でて塩振っただけのジャガイモが、とてもおいしかったですよ!
ウイスキーの製造方法を簡単に説明しますと…
1 大麦やトウモロコシなどの穀物を発芽させ、麦芽にします。麦芽には、デンプンを糖に変える酵素が含まれています。
2 麦芽に熱を加え、発芽を止めるとともに、乾燥させます。
3 乾燥した麦芽を温水と撹拌したのちにろ過し、糖分を含んだ麦汁を作ります。実は、ここまでの製法はウイスキーもビールもおおむね変わりません。
4 麦汁に酵母を投入し発酵させます。糖分はアルコールに変化します。
5 蒸留を繰り返して度数を上げたのち、樽で数年程度熟成させます。この過程で、ウイスキー特有の香りや色が発現します。
スコットランドで作られる、スコッチ・ウイスキーの特徴として、特有のピート香が挙げられます。麦芽を乾燥させるための熱源として、ピート(泥炭)が使われました。
ピート(泥炭、腐植土)とは、石炭の一種です。ただ、成立までの時間が短いため、炭化度は低く、含水率も高くなっており、燃料としては低品質なものです。
高緯度のため冷涼なスコットランドで簡単に手に入る燃料と言えば、湿地を掘れば出てくるピートだったのです。
さて、そんなピートですが、実はそんなに珍しいものではありません。冷涼な湿地など、植物遺体の分解が遅い場所であれば成立します。
燃料事情の悪化した戦後すぐの昭和22年、東京都内の家庭に配給する豆炭の原料として、現在の東京大学検見川総合運動場でピートを採掘しました。その際、縄文時代の丸木舟なども発掘され、のちの大賀ハス(開花に成功した弥生時代のハス、千葉市の花)の発見にもつながりました。
というわけで、千葉市内なので、例のデータベースからボーリングデータを引っ張ってきましたよ。千葉市役所さん、ありがとうございました。
採掘場所から西へ500mの花見川区保健福祉センターのボーリングデータを見ると、厚さ約2mの腐植土(=泥炭、ピート)層が存在します。
また、自噴井の記事で取り上げた、千葉市中央区の都川水の里公園は、採掘場所から10km以上離れていますが、よく見れば腐植土層がありますね。
この2か所は、縄文時代から弥生時代にかけて湿地でありつづけ、堆積した植物遺体は、分解が進まずピート層になりました。
自噴井の記事はコチラ
↓
amazingkantoplain.hatenablog.com
比較対象として花園公民館のボーリングデータも上げておきます。採掘場所から南西に、こちらも500mほどです。しかし、ここは当時から台地上ですので、植物遺体は沈水することなく速やかに分解されるため、ピート層は成立しませんでした。
というわけで、千葉市内に限らず、条件を満たせば関東平野のあちこちでピート層は見つかります。
だからといって、ピート層の発見は、特段良い話でもありません。不等沈下を引き起こすなど厄介な地層ですし、仮に採掘しても燃料としては低品質です。