すごいぞ 関東平野

関東平野の興味深い地形を、webGISを活用したOSINTの手法であぶり出します

「関東三弁天」がどこだか知ってる? 千葉県柏市の布施弁天

 先日、相模原市の大沼神社にお参りしたところで、弁財天を祭る著名な寺社仏閣が気になりました。弁財天は川や水の神様、島や水辺に祭られることが多いもの。

 そこで「関東三弁天」を検索すると、浅草寺弁天堂、江島神社、そしてもう一か所がヒット。

 浅草寺は、荒川放水路のない江戸時代ならば、今より川幅の広い隅田川のほとりかな。浅草寺に代わって不忍池弁天堂が入ることもあります。池の中の小島にあり、弁天様らしくていいですね。

 江ノ島は、相模灘に突き出した陸繋島です。弁天様らしくていいね。

相模灘に突き出す、江ノ島

 最後は、かの有名な布施弁天。うん、もちろん知っている…

 

 

 

 …どこだっけ?

「関東三弁天」のひとつ、布施弁天の位置

 うーん、北側を流れる利根川のほとりではあるけれど…

 ただ、「三弁天」の一角を占めるからには、ココは弁天様をお祀りしたくなる地形のはず。調べてみました。

「自分で作る色別標高図」機能を使った布施弁天の周辺図

 左は色別標高図、右は標準地図です。標高8m以下は青系色で、8m以上は緑、黄、赤色で塗りましたよ。

 布施弁天は利根川の氾濫原(青色、水色)に突き出した小島のように見えますね。

 ところで、「香取海(かとりのうみ)」はご存じでしょうか?約6000年前の縄文海進から江戸時代初期まで、現在の利根川下流域の低地には、霞ケ浦印旛沼を含む、広大な内海が広がっていたのです。

香取海 国交省霞ヶ浦河川事務所HP「昔はどうなっていたか/約1千年前」より

 やはり布施弁天は、807年の開山より江戸初期まで、内海に浮かぶ島だったようです。

 江戸幕府により、利根川は流下先を東京湾から香取海に変えました。これにより香取海への土砂堆積が進むとともに、新田開発も盛んとなって、現在のようになりました。

 香取海に浮かぶ弁天様、ちょっと見てみたかったですね。