東京都多摩地域を南北に貫く多摩都市モノレール。現在は東大和市の上北台駅から多摩市の多摩センター駅まで、延長約16㎞、駅数19、日本跨座式(レールにまたがるのね)のモノレールです。
国交省により、北は瑞穂町の箱根ヶ崎駅まで、南は町田駅まで、西は八王子駅までの延伸が答申されています。
箱根ヶ崎延伸は、事業に着手することが2020年に正式発表されました。
町田延伸は、モノレール導入空間となる道路が未確定でしたが、2022年1月にルートが正式決定されました。今後はこのルートに幅員22m以上の道路を整備を進めつつ、モノレール事業の着手を待つこととなります。
では、八王子延伸は?
残念ながら答申には位置付けられたものの、依然として整備促進への機運を深める段階です。ただ、おおよそのルートは確定しています。
そのルートとは、多摩センター駅~小田急線多摩線唐木田駅付近~京王相模原線南大沢駅付近~多摩美術大学付近~八王子ニュータウンの横浜線八王子みなみ野駅付近~JR八王子駅の延長約17キロメートルです。
当初の多摩モノレール基本計画図がわかりやすいので掲示しますが、大部分が多摩ニュータウンと八王子ニュータウン(基本計画図では八王子南部開発地区)を貫くルートとなっています。
というわけで、1981年に公表された多摩モノレール基本計画より後の、1985年に土地区画整理事業の都市計画決定がなされた八王子ニュータウンには、モノレール導入空間があらかじめ用意されているのでは?
横浜線に並行して、八王子ニュータウン内を南北に走るこの道路、都市計画図で確認すると幅員22mです。モノレール導入に最低限必要な幅員を満たしています。
そして、「宇津貫公園入口」交差点付近と、さらに約800mほど南の「宇津貫緑地入口」バス停付近だけは、なぜか幅員が約36mに拡幅されているのです。なぜでしょうか?
答えであろうと思われるものは、「『多摩都市モノレールの延伸(上北台~箱根ケ崎)計画及び関連する都市計画道路』都市計画素案のあらまし」という、その名の通り多摩都市モノレール箱根ヶ崎延伸事業に伴う都市計画変更のパンフレットにありました。
ここに掲げた2枚の標準断面図を比較すると、新青梅街道は基本的に幅員30mですが、駅部は37mと拡幅されていることがわかります。
「駅舎へアクセスするための連絡通路を歩道等に設置するため、幅員を拡幅」しているのです。
既存の上北台駅も、仮称No.1駅も、都市計画上の道路幅員は駅部のみ拡幅されていますね。
つまり、今回延伸が決まった箱根ヶ崎ルート上の駅予定地については、都市計画を変更し、拡幅用地を買収する必要があります。
ですが、八王子ニュータウン内については、あらかじめ道路幅員を広げてあります。延伸事業決定の際に、都市計画の変更は必要ですが、用地買収の必要はありません。
というわけで、ここが駅予定地なのですね。あとはもう、事業決定を待つばかり。いつなのかは、知らないけれど…
すこし気になるのは、モノレール八王子みなみ野駅~「宇津貫公園入口」交差点付近は700m弱、「宇津貫公園入口」交差点付近~「宇津貫緑地入口」バス停付近は800mと、駅間距離が近すぎるような気もするのですが…気にしすぎでしょうか?