すごいぞ 関東平野

関東平野の興味深い地形を、webGISを活用したOSINTの手法であぶり出します

雨が降ったら流されない!? スタバ入間川にこにこテラス店

どこにあったって、美味しいなら良いじゃない!

 と言われてしまえば、この記事はそれでおしまいなのですが…

 日本経済新聞2021年2月4日の記事「河川敷にスタバ出店 埼玉・狭山市入間川」によれば、スターバックスの河川敷への出店は全国初だそうです。

 ちょっと、行ってみました。

河川敷のスタバ付近のグーグルマップ

 確かに、人家寄りではあるけれど、河川敷に見えますね。雨が降っても、大丈夫なのかな?

 西武新宿線狭山市駅から直線距離で約1㎞。周囲は建物が多く、入間川の対岸は狭山市中心市街地です。河川敷は、市民の憩いの場となってきた、「河川敷中央公園」として活用されてきました。

 この立地を生かし、狭山市は、「にぎわい創出による交流人口拡大と地域のイメージアップを図り、狭山市駅周辺中心市街地と河川敷を回遊する新たな人の流れを創出することを目指す」ため、「入間川とことん活用プロジェクト」を立ち上げました。

 このプロジェクトでは、「民間施設(飲食施設)の立地により、恒常的なにぎわいづくりを目指」す、とあります。

にぎわっていましたよ

  さらに、「入間川河川敷に賑わいの創造と、誰もが利用できる憩いの空間づくりを目的に、飲食施設を整備・運営を行う民間事業者の募集を行った結果」、スターバックス コーヒー ジャパン 株式会社が応じました。事業期間は「河川占用許可期間に準ずる」10年間だそうです。

 なるほど、近所にスタバ来てくれたら、嬉しいですからね。

 

 この背景には、河川法の改正があります。

 明治の旧河川法の趣旨は治水のみでしたが、昭和39年制定の新河川法では、治水に加え、水道や発電といった利水も法整備の目的となりました。

 さらに平成 23 年の河川敷地占用許可準則の改正に伴って、治水・利水・環境面に支障を生じない河川敷地の利活用について、一定の条件の基に、民間事業者等による商業活動が認められるようになりました。

 

 テーマに戻りますが、このスタバ、雨が降ったら流されない?

スタバの位置での河川横断方向の断面図(地理院地図)

 断面図を見れば一目瞭然ですね。

 スタバはオレンジ色の丸点、断面図では紫色線に位置しています。

 スタバを中核施設とする「入間川にこにこテラス」と入間川の間には、高さ約1mの堤防がありますし、「入間川にこにこテラス」は、断面図の始点側や終点側(国道16号線沿い)周辺よりも、地盤が高いことがわかります。

入間川にこにこテラス」から見る昭代橋

 というわけで、雨が降っても、周辺の市街地より浸水や洪水のリスクは低くなっています。

 たまには、こんなテイストの記事でも、良いじゃない!